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設計者の選び方

竹ノ内設計 代表取締役 一級建築士 竹ノ内洋一郎
( (社) 日本建築家協会・関東甲信越支部 建築相談委員会)

写真:竹ノ内洋一郎氏

建築家とは

新聞やテレビなどで、都市計画建築に関わる話になると「建築家」の肩書きを持つ人がしばしば登場します。
 かつて新旧の東京都庁舎などを手掛け、海外にもその実績を残した丹下健三や、関西空港の設計者であるイタリアの建築家レゾン・ピアノなどはご存知の方も多いでしょう。こんな話を聞くと「建築家」とは大規模な建築物だけを手掛けているものだと思われがちですが、住宅などの設計を得意とする建築家も多くいます。
 建築物を造ることは社会的影響や責任が大きいので、その設計や監理に携わる人は一定の専門学歴と実務経験を経た上で国家試験をパスし建築技術者の資格である「建築士」となります。

建物のつくり手順として、設計者は先ず、建築主と共に現地をつまびらかに観察し、要望する条件に沿った計画を立てます。
 そして法的規制に基づき家族構成・規模・デザイン・安全性・性能・予算・工期などを勘案しつつ計画を進め、打合せを綿密に行い実施設計・仕様書、法的手続きと工事予算の作成を行う。
 工事会社の選定は、出来うれば2社以上から過去の実績書と明細見積を依頼し、建築主と協議の上1社に決定する。確かな内容の工事契約書に基づき取り決めに立ち会うことです。着工後、設計者が「工事監理」を行う。工事が設計通りに行われているか、工期の進捗はどうかをチェックし、また、工事中の設計変更があれば遺漏ないよう処理をする義務があります。

専門家に設計を頼む要領

「建築家に頼んだら良い住まいが出来た」とか「デザインは良いが、雨漏りなどでひどい目にあった」など設計監理の評価は一様ではない。建築家にも医者と同様得意、不得意の分野がありオールマイティではないのです。
 「家づくり」を進めるにあたっては、先ず設計担当の建築家とじっくり「話し合い」をすることです。両者の人生プランや住宅や趣味などについてよく話し合い、以前手掛けた住宅の現物や写真、図面などを見て、住宅に対する考え方を知ることです。
 住宅の企画、設計、監理、完成まで約半年以上2年にわたり依頼者に代わって業務を行うので人間同士の付き合いが密になるので、お互い気が合わなければ上手くいきません。
 その間、双方に行き違いがあっては困りますので、設計監理契約から企画、設計、監理の段階に分けて取り決めることです。
 設計を頼んだものの思惑と違ったので断りたい場合は、進捗したものに対してのみの対価を支払って解約すればよいわけです。

一括して建設を頼む?

工事会社による設計施行一環事業では、設計担当者が第三者の立場で厳正な「工事監理」を行うのは難しいのです。残念ながら我国では、伝統的にこの方式が多く行われているのが現実です。
 「素人で建築のことはわかりません。全てお任せします」「手前共を信用して皆お任せ下さい」・・・依頼者と工事会社との間でよく聞く会話です。もし、この通りで済むなら「欠陥住宅」は1軒も無いはずです。

建築相談にこられた人の依頼で完成間近い建売住宅の現場調査に行きました

自称二級建築士の責任者は、平面図を見せて「建築確認申請図と現場とはどの現場も違うので検査済み証は取れないが、建物の登録手続きには差し支えない」と平然と言ってのけた。
 明らかに建築基準法違反です。このようなケースが、欠陥住宅となる例がみられます。

第三者の建築家を設計者に選ぶ

建築関係のトラブルは専門知識を必要とするため、裁判所は事件となった事案について、また、住宅紛争審査会など持ち込まれたものの調査、鑑定を第三者の専門家に委ねて裁定の目安とします。これらは近年、建築士の重要な業務の1つとして再認識しています。
 設計者を選ぶ手立てとしては知人・友人の紹介以外に、地方自治体(各都道府県の市区町村)の相談窓口を利用したり、建築士事務所協会などに問い合わせることです。
 「第三者の立場」で適正な業務を遂行できるのが「建築家」であります。

お薦めする参考図書

  • ・井上書院 「住まいをつくる相談室」
  • ・同文館 「欠陥住宅の見抜き方、直し方」77のポイント

【たけのうち・よういちろう】

一級建築士 土地家屋調査士 登録建築家 弁護士協会住宅紛争審査処理委員ほか
(株)竹ノ内設計にて設計・監理・調査・コンサルなど、47年
日本大学講師 22年

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社団法人日本建築家協会  首都圏建築相談室
TEL : 03-3408-8293  FAX : 03-3408-7129  担当:馬場

※ 今年度3月までのこのコーナーは、日本建築家協会の建築相談を担当している建築家の方々からご意見やご提言を掲載する予定です。

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