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構造・構法編 -設計の進め方その2-

写真:松嶋晢奘氏

一級建築士事務所 (有)松嶋晢奘建築研究所 松嶋晢奘
((社)日本建築家協会ー関東甲信越支部 建築相談室)

 

建築家と構造家の協力

建築家は構造設計に基本的な知識を持っています。住宅設計のなかで、自然界からの地震災害・風水害から建物を守る安全性という点で、より高度な知識を必要とする場合、構造・構法(構造設計)の選択では構造家の協力は欠かせません。今回は住宅の構造・構法について掲載いたします。

① 材料からの選択

・木造(W造)
住宅で一番多く使用されている材料です。他の材料と比較して比重に比べて単位面積あたりの強度が強い。コストの問題を除けば、国内産材料として十分な供給量が確保出来ます。火災に弱い点はありますが、耐火被覆材を使用するとか、最近では燃代設計(モエシロセッケイ:万が一火災にあっても木材の燃えるにはある一定の時間が掛かります。居住者が安全に避難できる時間分、構造体の木材が崩壊しないように、あらかじめ断面を大きくしておきます。)等により耐火性能を確保することが出来ます。
実例として45分耐火で必要断面積の周囲を30mm増しています。
・鉄筋コンクリート造(RC造)
密閉性が高く、防音・遮音・耐水性(地下構造物)に効果を発揮します。その上耐火性にも優れた材料です。但し、自重があり基礎に余分な費用が掛かります。
建築基準法の特例では地下構築物の床面積分を緩和されて、その分大きく建築できます。地下室は換気や結露防止対策等に配慮すれば、居室として利用できますし、オーディオルームやピアノレッスン室として、大きな効果を上げることができます。
・鉄骨造(S造)
上記の二つの中間的材料で、比較的に大スパンの構造に適しています。但し、錆が発生しやすい材料で、雨に濡れ易い所やお風呂場等の場所では、納まりなどに細心の注意が必要です。
実例として木造住宅で1・2階の柱位置が違い、更に1階に大広間を設けたいとの希望があり、木構造の中に竜の骨のように鉄骨で木造の補強を採用しました。

その他の材料としてコンクリートブロック造・レンガ造・石造等があります。

② 構法からの選択

木造でもいろいろな構法があり、

・伝統構法
神社仏閣に多いぬき「貫」構法:柱の中段にぬき「貫」材を通して壁「竹小舞」を組、土塗壁を作り漆喰等で仕上ます。
・在来構法
軸組構法とも呼ばれて、柱・梁材で構成され必要に応じて、筋交いや構造用合板を貼って耐震性を確保します。
・ツーバイフォー(2×4)構法
枠組壁構法で昭和49年頃よりアメリカ・カナダからの輸入構法です。最近ではツーバイシックス(2×6)、ツーバイテン(2×10)構法も有ります。
・丸太組構法
ログハウス:丸太を組み合わせて作ります。

などがあります。
木構造でも木組が複雑な場合は下記のような構造模型を作り、力の流れを検討いたします。

I邸軸組模型(木造2階建て) M邸軸組模型(木造3階建て)

鉄筋コンクリート造でもラーメン(剛)構法・壁式鉄筋コンクリート構法(室内に柱型が出ないので、住宅や中層共同住宅に多く使われています。)があります。勿論両方の組み合わせ構法も考えられます。
 鉄骨造もラーメン(剛)構法・ブレース(筋交い)構法・吊り構法(サスペンション構法)等があります。
 勿論記載しました材料や構法を適材適所で、組み合わせて使用することも可能です。パソコンの発達でいずれの構法でも、解析ができます。更に、各構法の実物大振動実験データもあり、昭和56年以降の新耐震設計法が施行され、建物の耐震性が高くなっています。

【まつしま・せいぞ】

横浜地方裁判所専門委員 建築紛争審査会委員 建築相談 一級建築士事務所
(有)松嶋晢奘建築研究所 代表取締役
各種コンペ・学校 ・病院・市庁舎・各種耐震診断と補強設計に携わる

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社団法人日本建築家協会  首都圏建築相談室
TEL : 03-3408-8293  FAX : 03-3408-7129  担当:馬場

※ 今年度3月までのこのコーナーは、日本建築家協会の建築相談を担当している建築家の方々からご意見やご提言を掲載する予定です。

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