• ホーム  >  
  • 住まいの情報(百・家・争・鳴)

住まいの情報 ● 百・家・争・鳴

工事現場のチェックポイント 〜隠れるところは確実に目を通す〜

蠻鮴鄒澤  代表取締役  一級建築士  白川 正孝
((社)日本建築家協会・関東甲信越支部・神奈川地域会建築相談室員)

写真:白川正孝

建物の設計・工事に際して

私たちが建築のトラブル相談を受けて思うことは、建主さんにとり”大切な住まい造り“にも関わらず、建設業者・建てる側は経済行為優先の為か、工事短縮・工事手順を割愛(手抜き)しているケースが多く見られ、また、建物の工法・仕様・仕上げ材を押し付けたり 細かな打合せ・説明責任を果たさない工事業者が見られトラブルの原因になっています。

日本風土・特性について

近年の住宅展示場初め各所で北欧・北米産住宅・各種工法が取り入れられ、断熱性・室外・室内のモダンなイメージ・耐震性が受け入れられている反面、日本風土の違いによる欠陥が起こる事象などが紹介されています。日本は地震・台風への対策と共に、湿気が多く結露発生によるトラブルが発生しており、断熱・気密性重視により、湿気対策を怠っていると思えます。

工事現場のチェックポイント

今回は、1.建物の基礎 2.建物躯体(在来軸組み工法・2”×4”工法) 3.バルコニー廻りの防水処理 4.外壁防水処理・外壁通気処理工法を重点に写真を使い記述することに致します。

地盤については、「住まいの情報 〜敷地は安全ですか〜」を参照ください。

 
  1. 建物の基礎・・・基礎配筋を確認する(一般的工法)
    最近は木構造の基礎も鉄筋コンクリートベタ基礎工法が多く、外周立上り基礎は床下換気口を設けず、基礎パッキンを土台下に敷いて(通常「ねこ土台」と呼ぶ)そこから床下通気を取ります。
    写真 写真
    ■底盤コンクリート配筋、立上り基礎、床下点検口 ■コーナー配筋補強、床下換気は立上り基礎上の基礎パッキン
    *底盤の厚さ・配筋、立上り基礎の幅・高さ・配筋・アンカーボルト位置・ホールダン金物位置等は設計図書を参照して検査・確認する。
  2. 建物躯体・・・金物補強 基礎アンカーボルト、ホールダン金物、各種金物 防蟻工事
    *木造躯体工法には、木造軸組在来工法・2”×4”工法(枠組壁工法) ・メーカーの認定工法・伝統工法 等があります。
    写真 写真
    ■2”×4”工法:基礎パッキン・土台・ホールダン金物
    ・外壁下地構造用合板張(耐力壁工法)
    ■木造在来工法:コーナー柱脚部 防蟻工事・筋交金物
    ホールダン金物・剛床工法(床の水平力強化)
    写真 写真
    ■コーナー柱頭部:柱ホールダン・筋交金物
    ・外壁下地構造用合板張(耐力壁工法)
    ■2”×4”工法:開口部上部 補強まぐさ
    写真 写真
    ■小屋裏工法:2階天井部桁梁に鋼製火打ち材 ■2”×4”工法:上部 梁材と梁受け金物
  3. バルコニー廻りの防水処理
    *屋根式バルコニーには通常FRP防水工法が多く、下張り材・防水立上り高さ・水勾配・手すり処理・サッシュ下端立上り・排水管の措置等があります。
    写真 写真
    ■防水立上り H=250mm以上 水勾配1/50以上 ■サッシュ下端立上り H=120mm以上
  4. 外壁防水処理・外壁通気処理工法
    *日本は台風による強風雨で屋根・壁・開口部廻りから雨が入らないように、防水テープ・水切用板金を設け、また、寒気による結露対策として外通気工法・屋根換気工法を設ける。
    写真 写真
    ■開口部廻り:シーリング・防水テープ ■外壁下地透湿防水シートの重ね合わせ
    写真 写真
    ■外通気工法の為の通気竪胴縁 ■屋根・下屋の防水立上げ処理・天井裏通気

まとめ

4項目の写真を使い記述しましたが、住宅は敷地条件・建物仕様が違うように工事現場は全て違います。まして工事業者・大工さんや下職さんが違うと、工事の手配・段取りや工事法や仕上げ材についての考え方が違う事があり、非常にやっかいなもので良く話し合わなければなりません。建主さんと工事業者で揉め事になるのはこのあたりで、HOWTO本や知人の意見と業者の工事手配が違う・・・信頼関係が崩れる原因になり相談に見えることがあります。
  工事現場は技術的・慣習的取り決めもあり、建主さんは出来れば知り合いの建築設計者に設計・工事監理を一括してお願し、お互いに打合せを重ねながら「住まい造り」をされると良いと思います。特に工事に限定すれば、第三者の一級建築士に重点工事監理をお願いすると良いと思います。そして時間的余裕があれば上記内容を念頭に工事毎に写真を撮っておくことをお勧めします。

 

【しらかわ・まさたか】

一級建築士事務所(株)白川設計 代表取締役
最近は、古民家再生住宅・古材活用住宅を手掛ける。

厚木・七沢の里:「終の住まい」掲載
(社)日本建築家協会・関東甲信越支部・神奈川地域会 JIA神奈川建築相談員
JIA神奈川(神奈川地域会) 理事
神奈川県建築士会 会員
神奈川県建設紛争審査会 委員
神奈川県応急危険度判定士
横浜市建築設計協同組合 理事
横浜市安全安心相談員

« お問い合わせ »
社団法人日本建築家協会  首都圏建築相談室
TEL : 03-3408-8293  FAX : 03-3408-7129  担当:馬場

※ 今年度3月までのこのコーナーは、日本建築家協会の建築相談を担当している建築家の方々からご意見やご提言を掲載する予定です。

住まいの情報

当協会のホームページでは、プライバシー保護のためにSSLによる暗号化通信を実現しています。