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住まいの情報 ● 百・家・争・鳴

日ごろの手入れが住まいを長持ちさせます!

一級建築士  小池  和子
(社団法人日本建築家協会・関東甲信越支部 建築相談委員会)

写真:小池和子

住まいは、引渡された時から劣化が始まっています。思いをこめた住まいを快適に長持ちさせるには、日頃の手入れと定期的な点検・適切な手入れが必要です。完成後の手入れが住まいの寿命を左右します。

1 日ごろから点検する目を持ちましょう!

住まいの日頃の手入れとして、掃除をこまめにすることが第一です。
 屋内では、床材の隙間、きしみ、建具の不具合、浴室やトイレの水漏れ、仕上げ材の亀裂や構造に影響を与える雨漏りの跡が発見されるかもしれません。また、収納部分や普段使わない部屋の建具の開け閉めにより空気が入れ替わり、湿気対策にもなるでしょう。
 屋外では、基礎や外壁の汚れ・はがれや浮き・亀裂、樋の落ち葉によるつまりに注意しましょう。基礎や外壁の亀裂は雨水の浸透による構造への影響、樋のつまりは雨漏りにつながりやすいので、早急な対応が必要です。ベタンダや手すり、外階段、共有廊下では、金属のさびや腐食、コンクリートのひびやはがれ・浮きが出ていたら早めの補修が必要です。屋根は、戸建て住宅の場合は上階から下階を見る程度にして、定期点検の時に専門家に頼むのがいいでしょう。集合住宅の屋上では、平坦部や立ち上がり部分のひびや浮き・はがれ、水溜り、最上階のひさしに雨水の漏れた跡を発見したら、早急な補修が必要です。
 床下換気口は、床下の湿気を取り除き、乾燥を保つのに必要なものです。風の通りを確保するため、植木鉢やゴミなどがふさいでないか注意しましょう。
 掃除の時だけでなく、日頃から点検する目を持つことが住まいを長持ちさせる秘訣です。

2 定期点検と補修義務を知っていますか?

消費者が住宅を取得する際に、消費者を保護するため「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下品確法)」があります。その法律は、建築業者に対して新築住宅の売買又は請負時に、柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分などの基本構造部について10年間の瑕疵担保責任(補修責任等)を義務づけています。
 ハウスメーカー等の建築業者では、引渡し後3ヶ月、6ヶ月、1年、2年目あたりに無料又は有料の定期点検をすることを契約条項に入れている場合が多く、場合によっては有料で不具合に対応する体制をとっているところもあります。
 保証期間については、品確法で定めた10年、条件付きでその倍の期間、補修した時期から何年と建築業者ごとで異なっているようです。
 分譲マンションの場合、屋根や外壁、バルコニーや外部金物、設備などについて、5年、 10年、15年、20年、30年等の期間で修繕計画が立てられ、計画的に修繕しているところ が多いようです。定期的な点検と適切な手入れは、住まいを長持ちさせるために必要です。

3 記録しましょう!

引渡し時に、建物の状況を写真にとり、記録することをおすすめします。また不具合を発見したら、写真をとり、状況をメモして日付とともに記録することが大事です。瑕疵にあたる場合の根拠や原因の発見、適切な補修につながります。

4 契約内容を確認しましょう!

これまで、住まいに関する重要事項説明は、不動産の売買契約を結ぶ時、契約書に添付された重要事項説明書で建築業者が消費者に行ってきました。
 このたびの建築士法の改正で、建築士事務所にも書面による消費者(建築主)への重要事項説明が義務づけられました。情報開示することで、不具合が発生した場合の責任の所在を明らかにしました。
 不具合が早く発見されれば、大事になる前に補修することができ、其の分住まいは長持ちします。重要事項として、定期点検の時期や回数、費用の有無、瑕疵担保補償や期間などは、お互い納得した上で契約することが大事です。

« 普及協会からのおすすめ本 »

住まいのお手入れはこの一冊!
「住まいの管理手帳」戸建て編・マンション編

« お勧めする参考図書 »

  • ・「住まいをつくる相談室」
    井上書院
  • ・「欠陥住宅見抜き方、直し方 77のポイント」
    同文館
  • ・分譲マンション長期修繕計画・計画修繕ガイドブック
    東京都住宅局
  • ・「欠陥住宅紛争解決のための建築知識」
    ぎょうせい*
  • ・「住宅建築トラブル相談ハンドブック」
    新日本法規*

*弁護士・建築士向け

 

【こいけ・かずこ】

一級建築士・インテリアプランナー
(社)日本建築家協会関東甲信越支部建築相談委員会
首都圏建築相談室員
世田谷区ユニバーサルデザイン審議会委員

« 主な所属団体 »
(社)日本建築家協会(略称JIA)
(社)東京建築士会、日本建築学会

« お問い合わせ »
社団法人日本建築家協会  首都圏建築相談室
TEL : 03-3408-8293  FAX : 03-3408-7129  担当:馬場

※ 今年度3月までのこのコーナーは、日本建築家協会の建築相談を担当している建築家の方々からご意見やご提言を掲載する予定です。

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