住まいの情報 ● 百・家・争・鳴

マンションの選び方(立地、環境、信頼性、価格、性能、階位置、プラン、設備・・・)

訐澤弭房LIVE 代表取締役 一級建築士 山本 彬喜
(社)日本建築家協会・関東甲信越支部建築相談委員会

山本 彬喜

「マンションとは」

マンションは区分所有された集合の住宅であり、区分所有者による管理組合が結成され、共同による建物の維持管理が義務づけられています。
 この点が戸建住宅と大きく異なっています。 また新築マンションか中古マンションかによっても選び方が異なってくるので、ここでは主に新築マンションを対象にチェックポイントを述べ、中古マンションについては、重要項目を記します。

立地・環境 〜自分の目で確かめる〜

快適な生活を送るうえで、最も重要な項目であり、将来も含め自分たちの生活スタイルに合った立地・環境を選定する必要があります。

  1. ①生活の利便性、高齢化しても行動範囲が広がる生活面や、資産価値として将来転売・賃貸等を考慮すると、駅が2〜3駅遠くなっても、駅から近い徒歩10分圏内が理想と言えます。
  2. ②立地する地域が、都市計画上何の用途地域に属するか、周りは将来どのような高さの建物が建つ可能性があるかを販売事務所で、確認しておく必要があります。

 一口メモ

  1. ①1現地には、時間帯・曜日・天候の異なった時に出向き、自分の目で確認する。
    (夜間の照明・騒音・臭い・死角)
  2. ②台風や集中豪雨による周辺道路の冠水被害の有無を、近隣の人にヒヤリングしたり、ハザードマップなどで公表されている場合がありますので、確認します。

信頼性 〜販売会社の身元確認をしよう〜

マンションの販売会社は、有名な会社から無名の会社まで千差万別である。
売主になるには、宅地建物取引業の免許を有する必要があるので、チラシや、役所で登録番号(カッコ数字が更新回数)を確認し、また、インターネット等で会社の信頼性を確認します。

価格 〜多面的な角度から物件を探そう〜

マンション分譲価格は、「土地費+建築費+販売広告費+利益」と原価積み上げ方式で設定されていますので、多面的な角度から物件情報を収集して、自分なりに分析・評価します。

性能 〜自分なりに分析し、評価しよう〜

住宅の性能(地震に強い、結露が少ない、音の伝播が少ない、バリアフリー対策されているか等々)の10項目を第三者機関が客観的に評価する制度「住宅性能表示制度」があります。(業者の任意取得)
*設計性能評価と建設性能評価の二つがあり、設計・建設共取得したものが良い物件といえます。

 一口メモ

  1. ①構造:地盤の良い場所、建物形状が平面・立面共シンプル、ピロティ形式でない等。
  2. ②温熱環境:外壁の断熱材が東西南北面に施工され、かつガラスがペアガラスである等。
  3. ③音環境:床スラブの厚さは18〜20僉界壁は18〜20僉∨媛札汽奪靴了藩囘。
  4. ④高齢者への配慮:道路から部屋までスムーズにアプローチできるか等。

階位置 〜ライフスタイルで選定しよう〜

 階について : 低層に住むか、超高層に住むかは、建物の構造、プラン、維持管理、防災面等、十分検討します。
 位置について: 角部屋は採光・換気・リフォームに優れるが、断熱性能が劣ると、結露や冷暖房費が増加する。中間住戸は上下左右部屋に囲まれるので、冷暖房費は抑えられるが、各部屋の冷暖房機の設置には難点があるので、間口が広く奥行が少ない部屋を選定します。

 一口メモ

  1. ①低層階では防犯性能・日照を、高層階では非常時の避難を考慮する。(はしご車が届くのは10階程度である)
    また、都心部の騒音は上層階にも複合音として聞こえる。
  2. ②現地に足を運び方位の確認、及び隣地からの日影の影響を確認する。

プラン 〜将来を見据えライフプランを設定しよう〜

各々のライフステージにより部屋の必要な広さが異なります。目安としての広さは、下記を参考にしてください。
*独身時代(40〜50屐法共働き時代(50〜60屐法∋勸蕕道代(70〜90屐法⊇惑時代(介護スペース考慮)

設備 〜便利な機能でなく、必要な機能を選定しよう〜

マンションの設備としては、オール電化、インターネット、セキュリティー、ディスポーザー付キッチン、空調機器と清浄機を組み込んだ24時間換気システム等がありますが、流行に流されず、本当に必要な機能かを選定します。
また長く住み続けるには将来の間仕切り変更や維持管理に伴う、給排水・給湯管の取替え可能な構造であるか等がより大事になります。

中古マンション選定についてのワンポイント

  1. ①修繕履歴の有無を確認
    過去にどのような不具合が発生し、それらをどのように修繕したかの修繕歴、修繕仕様が保存されているかの確認が必要である。
  2. ②長期修繕計画書の有無を確認
    建物を維持保全するためには計画的に修繕・改修を施す必要があり、何年後にどのような修繕・改修をするのか、その工事に費やす費用はどのくらいか、その工事を実施するための費用は修繕積立金で賄うことが可能か否かを、修繕計画年度・修繕内容・費用・修繕積立金の過不足等を表・折れ線グラフ等で表現した書類の有無確認が必要である。
 

【やまもと・あきよし】

一級建築士事務所(有)設計工房LIVE代表取締役
(社)日本建築家協会首都圏建築相談委員
(社)日本建築家協会メンテナンス部会世田谷マンション相談委員
神奈川県応急危険度判定士
NPO法人東京バリアフリー推進センター住宅相談員
NPO法人暮らしと住まいネット理事
NPO耐震総合安全機構耐震アドバイザー

« お問い合わせ »
社団法人日本建築家協会  首都圏建築相談室
TEL : 03-3408-8293  FAX : 03-3408-7129  担当:馬場

※ 今年度3月までのこのコーナーは、日本建築家協会の建築相談を担当している建築家の方々からご意見やご提言を掲載する予定です。